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そういった事実を利用し、こんな事を仕出かしたのだろうか彼等は? このチームの長所だけをアピールし、机に置かれた辞令を得るために。最悪、点数の改竄もしているかもしれない。
「それとも神君、まさか委員会の決定に逆らうのかね?」
自分が委員会に抗議をした所で、動いてくれるとは思えない。孝弘が動けば、あるいは人選の再考があるかもしれないが、その孝弘がここにはいない。
この状況で、人選の再考を求められるのは、眼前の幹部のみ。
「……人選の再考をお願いします。彼等は、素人です。彼等を出すよりは、私を含めた教師を三人、それが無理なら二人でも」
「もうすでに君を含めた三名の教師の派遣は決定している。それでも足りないのだ」
そして眼鏡をかけた神経質そうな男性が、解説を始める。
「……つまり、そういう事だ。何よりこれは委員会も認めた正当な辞令。そのためだけにスクールの臨時休校もするのだしね」
「……納得出来ません。それなら、我が校からは充分な人材をすでに派遣しているではないですか」
説明を聞いて、一枝は何の感情も無い、虚無的な眼でそう呟く。
しかし彼女の感情の希薄さを大した事では無いと思っているのか、あるいは気付いていないのか。五人は延々と説明を繰り返す。正義は我に在り、とでも言いたげに。
「他校の人材不足を補うためだ。いいかね、何より我々は……」
だが彼等の眼は、どこか愉悦が見え隠れしているように見える。
それを見たからか、一枝の気配から何かが消えた。白髪に隠れた右眼はどんな輝きを放っているのか。
五人はやっと一枝の変化に気付いたようだ。それを打ち消そうと禿頭の男性が顔を真っ赤にし、ヒステリック気味に叫ぼうとする。
「少し、時間を頂きます。それくらいは良いですよね?」
遮った口調は、諦観に満ちていた。だが顔には無表情が凍るのみ。
失礼とも言わず、頭もさげずに一枝は部屋を出る。
通路に、冷たく、硬い靴音が響いた。
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