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「質問に答えて下さいよ。どういう事ですか?」
勇樹は詰問口調で問いかけつつ、一枝に歩み寄る。
どうしてこの時間帯に、ここにいるの?!
愕然と表情を崩す一枝に、
「……ちょっと、考え事してたんですよ」
そう言いつつ、勇樹は切り出す。
「で、どういう事です? 一枝さんが辞めるって言うのと、俺達を巻き込む訳にはいかないってのは」
腕を組み、睨む。
一枝は金網に手をかけ、目だけは眼下のネオンに向けたまま。
沈黙だけが、夜の闇のように重さと濃度を増していく。
表情を伺おうとしても、一枝の顔は白髪に隠れて見えない。
「聞かなかった事にしては」
「到底受け入れられない提案ですね」
全てを言わせる前に即答。当然だ。聞かなかった事になんて出来る訳が無い。
一枝は白髪を揺らし、俯くと、無言で一枚の紙切れを勇樹に差し出した。紙面の一番上には横書きで『嘆願書に対する回答』と、パソコンで素っ気なく書かれている。
その内容を目で追い、黙読し、
「……これは、どういう」
「私を含めた君達の班が、一週間後、街の警護にかりだされるという事だよ」
再び紙面に眼を落とす。そこには確かに『右の者に出動を命じる』とあり、そこには自分達の名前と一枝の名がある。
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